きっかけは、
好奇心からだった。
今からおよそ70年前。
戦後の日本に、海外の文化が流入しはじめていた頃、
ファッションに興味のあるひとりの青年が、
デパートで帽子の販売を行っていました。
「舶来品の帽子は高級で、庶民にはなかなか手が出せない」
そう思った青年は、安価な帽子を自分でつくるために
プレス技術を学びはじめました。
当時は、木型に生地を被せて蒸気を当て、
砂袋で圧力を加えながら成型するというのが、
帽子づくりの基本的な技術。
「このプレス技術を、帽子づくり以外に活かせないだろうか」
そんな想いを胸に青年は、妻の実家が経営する
「大家ネームプレート」で、モノづくりや営業に没頭していました。